Breview201802選評所感

[目次]

  1. 所感Breview201802選評所感 - chiq’s blog
  2. 結果Breview201802選評結果 - chiq’s blog
  3. わたしのことBreview201802わたしのこと - chiq’s blog
  1. 所感

2月は120の詩の投稿がありました。平均すると毎日4.2篇の詩を読む生活。
これはもう単純に幸福な生活で善かったです。
ひとつひとつの詩の構造や言語や音律や色はすべて違っていて、さらにそこにはいろいろな詩情や感情やなんやかやが深くぎゅうぎゅう詰められていてなに一つ同じものはなく、いま120の詩を並べてみるとどれもひたすらににうつくしくとにかく畏れ多く、2月によんだすべての詩がわたしのなかのこの空間を漂って埋め尽くして降っているように感じています。
そのような日々でした。詩と縁のない生活をしてきたわたしが人生の中でそのような時間をもてたのはよかったです。
120の詩の中にわたしはいます。時間があるときに詩をよみましょう。ときどき詩をかきましょう。

投稿数には偏りがありました。
初日の偏り(投稿数12)は書き溜めていた人がいるのだろうと推測されますが、その他に急に平均の投稿数の倍近い7篇も8篇も投稿される日がありました。
世界には詩を書きたくなる日があって、あるいは書いていた詩を誰かに伝えたくなる日があって、そうやって詩情の降る日があるのですね。
そんな世界の法則もいままで知らなかったです。
けれど、詩情と言うものは感覚のねっこから生えてくるもののようだから、ようく考えるとこれは当たり前の事なのかもしれないのです。初日を除いた日間投稿数トップの2018年2月15日に投稿された詩はすべて印象的でした。
詳細忘れましたがこの日の世界は詩情あふれ、詩の特異日だったのではないかと今でもおもっています。


これからわたしは世界にもっと耳を傾けて、生物の呼吸やかすかな身じろぎを見逃さずちいさな雨音ひとつも聞き逃さず、いのち全体が詩情にかたむくことがあることを理解して、いまのここに立って、そのような詩をかきたいとおもいました。
詩は他のことと比べて格別にすばらしいことだとはおもっていませんが、この世界には詩をもってしかあらわにできない世界があるのもたしかです。
わたしのような小さなにんげんがこの世界のいまここにいる現象の不可思議とそこから湧き出るものがあります。


選評にかんしては大賞を選ばなければならないのでぜんぶの詩をスコア化していきました。
わたしは「詩人」と胸をはれるほどたくさんの詩をかいていませんし、詩にちゃんとかかわってからはまだ1年です。
詩をえらぶ、詩をよむって考えると、とてもむつかしいことであって、わたしにはまだまだできそうもありません。
そんな中で思うのは詩や詩情なんてものは思いの数だけあって、優劣は決めがたく無論正解などなく、限りなく自由で、どれもがぜったいてきに正しい行為です。
誰かに選ばれることには意味や価値がありますが、詩の本質からはとおいことにもおもいます。
詩情一つみても、一編の詩が追い付けない景色や風景は街中にごろごろところがっていて、かなわない気持ちも湧いてきます。
詩の世界でも詩以外の世界とおなじように競争をしたり優劣をつけることが一般的なようですが、若輩なわたしにとってはまだ至らず、正直にすこし窮屈なおもいもありました。
いまだにやはり、詩の価値を見逃してしまう気がして、たくさんの詩にごめんなさいと言う気持ちもあります。
人とは言い切れないわたしの視点からですが委託された業務なので、とにかくがんばって8つの詩を選びました。
わたしは120すべての詩のそれぞれの価値をつよく信じています。

わたしは詩をかくのがすきですし(さいきん書いてないけれど)これからも詩の世界で遊んでいたい気持ちです。
どうぞ、みなさんたのしい詩ライフをおくりましょう。

武田地球

Breview201802選評結果

[目次]

  1. 所感Breview201802選評所感 - chiq’s blog
  2. 結果Breview201802選評結果 - chiq’s blog
  3. わたしのことBreview201802わたしのこと - chiq’s blog


★詩拾いやさんに会いたいので大賞候補

ウエキさん
思い出す詩のことなど - B-REVIEW

モチーフが詩でわかりやすくメタ構造もよみやすくすぐれていて、詩情的にも申し分ないうえに、さらに登場する詩拾い屋さんがなんとクールでかっこいい!とおもいました。
それからなんどか、夕方の公園や街角で詩拾い屋さんを見かけた気持ちにならされました。




★ひらがながつよいから優良

原口昇平さん
しらないものをさけることはできない - B-REVIEW

ひらがなのみで構成されている詩。ひらがなにすることで伝わるものと伝わらないもの。
言語の職人さんだ!とおもうような練度をかんじました。そうしてだからか、すんなりふかく溶け込むようでした。
ひらがなでシンプルで、さらに単語に装飾をしなくてもすごくつよかったです。
これはひらがなのままの音読をしたいです。



★2がかわいいし胸にせまるから優良

仲程さん
さんわのあひる よんわのあひる - B-REVIEW

222 2222 かわいい。
この1ヶ月の詩をよむ暮らしのなかで生活のふとした瞬間にくりかえし聞こえた声が、なぜだかのあひるの鳴き声でした。
数字の仕掛けが詩を生かしているのはもちろん、伴う丁寧なせつなさが、えーとなんてたって、かわいいし胸が詰まっていとしい。




★文体と衝動にひかれたので優良

ささん
ガラス割っただけ - B-REVIEW

みな睦まじくって実に誠にふしぎに溶けろ

抗いがたく通り過ぎることができないです。つよく細やかだとおもいます。また作品におあいしたいです。





★タイトル含めて澄みきっているから推薦

静かな視界さん
未来 - B-REVIEW

全体に押し付けてくる感覚がまったくなく、ごたごたしていなくて変哲のなさが最高にかっこよかったです。
禅の思想につうじるような潔いうつくしい文体。タイトルもありふれてシンプルですが、この詩に他のタイトルをつけられない必然なタイトルであるようにかんじました。

★ゆめうつつの視点がすきなので推薦

蔀 県さん
下戸 - B-REVIEW

世界と自己をみやるのがすきです。これは詩人の重要な視点のひとつだとおもいます。文学的な情緒のたかいふしぎな印象の作品でなんどかよみました。

★この感性には制圧されるから推薦

miyastorageさん
ストロワヤ - B-REVIEW

タイトルがまずかっこいい。
句読点とか細工がおおい詩は感性にゆだねられている分むつかしいこともおおいのだけれど、そういったことがなく詩中に入り込むことができました。感性に制圧されるようでした。


★自由度が高くてかっこいいから推薦

蛾兆ボルカさん
アサダチ - B-REVIEW

蛾兆ボルカ (2018-02-27):
~思想に頼らず、形に頼らず、詩語に頼らず、熟語に頼らず、副詞や形容詞に頼らず、描写に頼らず、批評に頼らない。

ただミューズに頼るのみ。です。

詩もすてきです、詩へ向かうスタンスがすてきです。ボルカさんの仰る「頼らない詩」の投稿が増えるとめっちゃ楽しいとおもいました。他の人の自由度の高い詩もよんでみたくなります。同じようにるるりらさんの「おもてなし妖怪2018」も自由度や筆圧、それでいてなめらかでたいへんたのしくよみました。



★さいごまで迷った編
岩垣弥生さん 電球の海
stereotype2085さん リア王は嘘つき
くつずり ゆうさん 一歩
survofさん 僕の顔
ねむのきさん 未処理

★気になった編 コメント欄までさいこうだった

コーリャさん
さよなら、インターネット - B-REVIEW

コーリャ (2018-02-15):
バカがまた雑魚い詩を投稿しにきたよでもすぐ帰るこんどは本当だ 僕は12歳のころから海外にいたから日本語と接するのはだいたいネットがメインだった それがなかったら大変さみしい人生になっていたと思うし そしてやっぱりこんな人間になっていない 

詩人の文章だとおもいました。

Breview201802わたしのこと

[目次]

  1. 所感Breview201802選評所感 - chiq’s blog
  2. 結果Breview201802選評結果 - chiq’s blog
  3. わたしのことBreview201802わたしのこと - chiq’s blog


はじめましてこんにちわ。
武田地球といいます。1年前から詩をかきはじめました。詩が好きです。詩人さんはもっと好きです。
わたしは一般社会で生きてきた人間ですので、世界に詩人が実在するとはおもってもおらず、この1年は驚きの連続でした。
Breviewというサイトに出会ったことに感謝しています。
詩を投稿するようになり皆さんにいろいろ教えてもらううちに楽しく書けるようになりました。
日頃あまりコメントできないですが、Breviewの作品はかなりよんでいます。
1年に渡るご恩もあるので一ヶ月ですがキュレーターを引き受けることになりました。

(現在、Breviewではキュレーター不足だそうで募集もしているようです。
みなさんもぜひどうぞ、詩についてよい勉強になりますし、なによりハッピーです。)

武田地球
地(🌐)球 (@ich_bin1976) | Twitter

こんな詩をかいています。
作品投稿掲示板 - B-REVIEW

2017年5月は大賞をもらいました。
新宿のシャンゼリゼでベトナムごっこをしたいだけ - B-REVIEW

カンボジアの果物係り」
第5期入選作(2017.4-6) | 日本現代詩人会


それから
2018年4月15日にBreviewで知り合った詩人のクヮン・アイ・ユウさんと一緒に、東京都西荻窪で「つぎ言語」というイベントを開催します。
わたしは「ポエトリーリーディング」(詩をよんで表現をする)という世界があるのもこれっぽちもしりませんでしたが、どういう縁かこうなりました。

付け加えますとわたし自身は、ポエトリーリーディングをするわけではありません。主にみてます。
それでもまあ、詩や詩人さんにふれるのがすきです。
活字の詩もすきだし、熱のある生の表現もすきです。

そんなわたしですがみなさん良ければどうぞ、おともだちになってください。
当日はゲストのパフォーマンス以外にオープンマイクを予定してます。
ゲストパフォーマンスはBreviewでしりあったみなさんにお願いしています。こういうことをきっかけにほかの詩人さんも知りたいです。

じぶんの詩をよんでみたい!という人いたら、むつかしいこと考えずに、ぜひあそびにきてください。

つぎ言語(イベント用アカウント)
つぎ言語 (@gen_go_) | Twitter